日産自動車は、神奈川県厚木市の日産テクニカルセンター内に「エンジニアリングセンター」が完成し、4日竣工式を実施した。
同社は昨年12月に発表した中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム2010」に基づき、CO2排出量の削減に実効性のある技術と商品を投入していく計画で、今回竣工したエンジニアリングセンターは、計画に基づいた様々な技術開発を行う。
センターは、主に車両開発に関わる部署のオフィスとして使用するほか、ナレッジクリエーション実現のための車両・部品展示エリア、インフォーマルコミュニケーションエリアなど、クルマや部品と直に接しながらコミュニケーションできるスペースを確保した。センターに配置する車両開発部隊と、企画、デザインの部署とが連携し易いよう、隣棟とブリッヂでの行き来を可能としたほか、サプライヤーなどとの打ち合わせエリアやカフェ、売店、レストランサービスなども充実させた。
さらに、日本初となる水を冷媒としたターボ冷凍機を採用した。今後、この環境に優しい冷凍機の使用を通して得られるデータの収集やノウハウの蓄積を行い、技術進化や普及に貢献していく予定。氷蓄熱システム、エコガラス、雨水及び厨房排水再利用を採用しており、環境面でCO2排出量の削減及び省エネルギー化に取り組んでいる。
日産は、今回完成したエンジニアリングセンターを、日産が取り組んでいる長期的展望にたった将来への投資のひとつと位置づけており、今年5月に完成したNATC、現在進めているNTCのパワートレイン開発機能増強、昨年秋にリニューアルした同NTC内のデザインセンターなどの研究開発拠点の改修・増強と併せ、その投資額は約900億円となる。