矢野経済研究所は、「車載用ミリ波レーダ&民生用ミリ波WPANに関する実態調査」としてワールドワイドでの市場規模、販売動向、デバイスの採用動向、技術動向について調べ、今後のミリ波ソリューションのキラーアプリケーションである車載動向を分析、2013年までの市場規模を予測した。
調査は今年3 - 7月にかけて研究員がデバイスメーカー、自動車メーカー、研究機関などに面接や電話で聞き取り調査した。
調査結果によると、これまで車載用ミリ波レーダーのMMIC化が進んだものの、GaAs系のデバイスは高価なため、一部高級車への搭載にとどまっていた。しかし、自動車メーカーが「環境・安全・快適」をテーマに開発を進め、ミリ波レーダへ注目が集まっている。
低価格化が必須であることから、外資系を中心に、安価な製造プロセスで済むシリコン系デバイスの商品化が2008年には具体化する模様だ。
自動車メーカー側では、ミリ波レーダを用いたアクティブセイフティ(予防安全、衝突回避)のアプリケーション開発に積極的で、コストの壁はあるものの、パッシブセイフティ系アプリケーションであるエアバッグ並に普及させ、自動車の付加価値を向上させたい意向だ。
欧州の高級車向けに需要が旺盛だが、国内勢ではホンダ、トヨタなど高級車から徐々にミドル、SUVクラスへ設定車種が増加している。