警視庁は20日、自分たちが勝手に決めたルールを無関係な他者にも強要し、これを破ったとして相手に暴行を加えていた暴走族を摘発、リーダーを自称する16歳の少年ら3人を傷害容疑で逮捕した。容疑を大筋で認めているという。
警視庁・少年事件課によると、逮捕された3人は今年10月11日の午前2時30分ごろ、東京都大田区蒲田付近で原付バイクに2人乗りを行っていた20歳の男性ら2人に「誰の許可を得て2ケツ(2人乗り)しているんだ?」などと因縁をつけ、顔面を殴打。倒れた2人の腹部を安全靴で蹴るなどして、全治2カ月あまりの重傷を負わせた疑いがもたれている。
同様の被害は周辺で相次いでおり、いずれも暴走族のグループ名を出した上で暴行を加えていた。このため警察ではこのグループに現在も属する3人が容疑に関係したものとみて捜査を開始。任意で事情を聞いていたが、容疑を大筋で認めたことから20日までに逮捕した。
3人が属する暴走族は今年2月、別のグループと縄張り争いを発端とする抗争事件を起こし、メンバーが殺害されていた。以後、勢力縮小の傾向にあったという。
リーダーと自称する少年は警察の調べに対して「勢力が弱くなったとバカにされないためにやった」、「蒲田で悪いことができるのは自分たちのグループだけだと周囲に示したかった」などと供述しているという。