新日鐵化学は、独立行政法人の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から松下電工など3社が受託した、「有機発光機構を用いた高効率照明技術の開発」に、自社で開発した赤色および緑色の有機EL燐光材料を供給すると発表した。
プロジェクトは、高効率有機EL発光デバイスの開発で、白熱電球や蛍光灯といった既存光源の代替を図り、家庭でのエネルギー消費の削減を目指すもの。こうした照明の高効率化の実現には、現在使用されている有機EL蛍光材料に比べ、理論的に4倍のエネルギー変換効率を可能にする、燐光材料の活用が必要だ。
新日鐵化学では、燐光材料の開発に早くから取り組んでおり、2004年には、世界に先駆けて赤色燐光材料の開発に成功、携帯電話のサブディスプレイに搭載された。また、2006年末には、緑色燐光材料の開発にも成功し、現在、ディスプレイ製品に搭載するため、デバイスの検討を進めている。
今回、NEDOのプロジェクトに、新日鐵化学では、燐光材料を供給することで、高効率有機EL照明技術の開発の目標の達成に、貢献できることを期待するとしている。