大型クレーン車のタイヤ破裂事故で有罪判決

自動車 社会 社会

2006年11月、大阪府堺市西区内の府道で、大型クレーン車のタイヤが破裂。風圧で隣の車線にいたクルマが大破し、1人に軽傷を負わせたとして、業務上過失傷害などの罪に問われた所有者の女などに対する判決公判が7日、大阪地裁堺支部で開かれた。裁判所は執行猶予付きの有罪判決を命じている。

問題の事故は2006年11月30日夜に発生した。堺市西区北条町1丁目付近の府道で、信号待ちのために停車した大型クレーン車の左前輪が突然破裂。漏れ出した空気は左側に停車していた乗用車を直撃した。乗用車はフロントガラス以外のすべてのガラスが破壊。風圧が直接掛かったとみられる右後部のドアはクルマが衝突したかのように大破し、後部座席に同乗していた4歳の男児が重傷を負った。

破裂したタイヤは異常磨耗していたが、この事故の1か月前には右側のタイヤが破裂するトラブルが発生。この際に左前輪以外のタイヤを交換していたという。左前輪は磨耗が進んでいないと判断されたために残されたが、結果として破裂するに至った。

検察ではクレーン車を所有する会社を実質的に経営する59歳の女と、法人としての会社。そして事故当時に運転していた53歳の男を業務上過失傷害などの罪で起訴していた。

7日に開かれた判決公判で、大阪地裁堺支部の船戸宏之裁判官は「前月に同様の被害が発生しながら、経費削減を優先として交換を怠り、結果として同様の事故を起した責任は重い」と指摘。経営者の女に対して禁固1年(執行猶予3年)、運転者に対して禁固10か月(同3年)の有罪判決を。法人としての所有会社に罰金5万円の判決を命じている。

《石田真一》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  2. 「妄想が現実になった」トヨタがAE86のエンジン部品を発売へ…「復刻だけじゃない」その内容に驚きの声
  3. ヤマハの3輪スクーター『トリシティ』が進化! SNSでの注目は「デザイン」と「屋根が付くか」
  4. ホンダ『プレリュード』新型、気になるライバルたち
  5. 衝突試験、1回の費用はおいくら? ホンダ栃木四輪開発センターで見学
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る