【日産 GT-R 解説】速さを徹底追求したウェポン

自動車 ニューモデル 新型車
【日産 GT-R 解説】速さを徹底追求したウェポン
【日産 GT-R 解説】速さを徹底追求したウェポン 全 5 枚 拡大写真

“マルチパフォーマンス・スーパーカー”というのが日産が『GT-R』に与えたキャッチコピー。それは、限られた人だけではなく、“誰でも、どこでも、どんな時でも”高性能を引き出せるスーパーカーという意味だ。

そのスーパーカーという言葉に関して、日産はパワー・ウェイト・レシオで4kg/ps以下、最高速300km/h、ニュルブルクリンクのラップタイム8分以下等々の基準を設定。なかでもベンチマークとして引き合いに出されたのはポルシェ『911ターボ』。その性能を、しかしその半額以下の価格で実現することが開発目標とされたが、それはイコール、911ターボをライバルとするという意味ではない。開発責任者の水野和敏氏は、「911ターボはあくまで性能指標です。競合車は存在しないと考えています」という。

『スカイライン』の名が外れたGT-Rは、その目標性能を達成するために、ほぼゼロの地点からパッケージングを構築していった。480ps/60.0kgmという怒濤のスペックを誇るエンジン、トランスアクスルを用いたフロントエンジン・フルタイム4WDの駆動レイアウト、6速デュアルクラッチ・トランスミッション等々の採用は、すべてそのため。そういう意味では、冒頭に書いた“誰でも、どこでも、どんな時でも”という文句は、今の社会で存在し得る要件を満たすための口上に過ぎず、実際のGT-Rはあくまで実戦的な、速さを徹底追求したウェポンであるということができそうだ。

ちなみに先に挙げたニュルブルクリンクのラップタイムは7分38秒54。しかし、これは路面の一部がウェット状態での参考記録に過ぎない。水野氏によれば「天候と路面がよくなる4月には改めてアタックするつもりです。けっこう面白いタイムが出ると思いますよ」とのこと。ちなみに市販車では、ポルシェ『カレラGT』の7分32秒という記録があるが、おそらくこれはあっさり破られるに違いない。

《島下泰久》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 新型アウディ『Q3』のインテリアを公開、「コラム式シフト」と新デジタルコックピットが目玉に
  2. 「鈴鹿8耐」最注目のヤマハ車は完全新作の『YZF-R9』! 150万円を切るなら「ブレイクの予感」しかない
  3. もしも「タイプ992」が初代911をオマージュした世界線だったら…? ウクライナのデザイナーが再解釈
  4. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
  5. 2.5Lエンジンを搭載する『インプレッサ』登場、米2026年モデルに「RS」
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
ランキングをもっと見る