コスモ石油は、100%子会社であるコスモエネルギー開発の出資するカタール石油開発が、既存鉱区における新規油田、A構造南部油田の開発計画について、カタール政府と合意し、開発計画に調印したと発表した。
開発で合意した新規油田はA構造南部油田で、推定生産量は日当たり3000バーレル。生産開始は、2010年の予定だ。
カタール石油開発は1997年9月にカタール沖合東南第1鉱区の石油開発プロジェクトとして設立され、カルカラ油田およびA構造北部油田で探鉱、第1次開発を経て2006年3月13日から生産を開始した。現在の生産量は約日産5000バーレルで、今後の追加開発計画により2008年3月までには日産約1万バーレルを生産する予定だ。
今回の新規油田開発により、2010年には日産3000バーレルの増産を計画する。
カタールにおけるプロジェクトでは、原油生産の際に発生する随伴ガスを大気中で燃焼させることなく、地中に戻すこと(ガスインジェクション)により「ゼロ-フレアリング」を実現しており、カルカラ油田およびA構造北部油田は、カタール国で環境規制に最初に対応した油田となる。新規油田の生産についても、この技術を活用して環境にやさしい原油生産を目指す。
プロジェクトは、中東地域における石油危機後初めての生産物分与契約に基づいた日本企業による単独操業案件となる。
コスモ石油グループの子会社であるコスモエネルギー開発が2007年10月24日にカタール国でブロック3鉱区の探鉱生産分与契約に調印しており、カタールをアブダビ地域と同様にコアエリアとして位置づけ、今後も事業を一層拡大していく方針だ。