【スバル ボクサーディーゼル】確かな走り味とエコ性能のバランス

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【スバル ボクサーディーゼル】確かな走り味とエコ性能のバランス
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乗用車用水平対向エンジンとしては初のディーゼルユニットとして『レガシィ』に搭載し、実用化を果たした「スバル ボクサーディーゼル」。3月開催のジュネーブショーで発表が予定されている。肝心の、低燃費に貢献するデバイスの数々をリポートしていくことにしよう。

クリーンディーゼルエンジンの燃料噴射技術にはメルセデスベンツ『E320CDI』に採用されるピエゾ式が技術革新の勝者として有名だが、ボクサーディーゼルにはオーソドックスなソレノイド式(デンソー製)コモンレール(1800bar)が採用され、EURO4規格の排気ガス規制をクリアしている。最近は、コスト面で勝るソレノイド式でも燃焼をコントロールできる技術が進化しているのだ。

ボクサーディーゼル搭載にあわせて、レガシィでは初めて電動パワーステアリングが採用されている。

電動パワーステアリング採用の理由はもちろん燃費向上のため。クランクプーリーからベルトを介して油圧でパワステのポンプを作動させる必要がないので、エンジンパワーロスが少ないのだ。スバルにとって電動パワステ第1号でありながら、そのステアリングフィールは自然な感触でかなり完成度が高い。

コアなスバルファンの中には、スバルの電動パワステ第1号は先日発売された『フォレスター』のNAモデル、と信じている人もいるかもしれないが、じつはその開発(主にプログラミング)をレガシィで行なっていたという背景がある。

また、ターボチャージャーをこれまでのエンジン後方から前方に配置して直下型にしたことで、排気効率のよい位置にタービンを配置でき、ターボのレスポンスが向上している。さらに、スペースの自由度が高いからキャタライザーをターボのすぐ後ろに配置できるので、エンジン始動後など触媒への熱伝導が早くなり環境性能をアップしている。

もう一つ直下型にしたことで、ターボチャージャーを低い位置にマウントすることができ、オーバーハングが短くなったエンジン長との相乗効果で運動性能とハンドリング向上に貢献しているのだ。

さて、そのサスペンションのセッティングは+10kgのエンジン単体重量の増加と、デュアルヒーターシステムや遮音と振動対策のための重量増加にあわせる形でダンパーとスプリングが固められている。とはいえ、レガシィがもつ、しなやかなサスペンションフィールとスポーティなハンドリングは健在である。

《松田秀士》

松田秀士

成仏する直前まで元気でクルマを運転できる自分でいたい。「お浄土までぶっ飛ばせ!」をモットーに、スローエイジングという独自の健康法を実践する。これまでにINDY500に4度出場し、ルマンを含む世界4大24時間レース全てに出場経験を持つ。メカニズムにも強く、レースカーのセットアップや一般車の解析などを得意とする。専門誌等への寄稿文は分かりやすさと臨場感を伝えることを心がけている。

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