実際に走ってみると先代『XC70』との差は歴然だ。さすがに『S80』をベースにしているだけあって洗練度は高い。ロードノイズなど不快な音源をシャットアウトした遮音性の高さ、路面の粗さを身体に伝えることのない滑らかで落ち着いた乗り心地は上質なプレミアムカーそのものだ。
速度を増してもドッシリとした挙動の安定性に変化はない。『V70』から+約100kgの車重増は、信号待ちからの発進加速などで緩慢さを感じさせることもあったが、それはあくまでV70との比較であり、実用面ではまったく気にならないレベル。むしろ、車重増がもたらす乗り味へのメリットのほうが、大きいように思えるのだ。
ロードクリアランスを稼ぐための車高アップや、オールシーズンタイヤに起因するハンドリング面でのデメリットもほとんど感じさせない。確かにハイペースでコーナーに進入した際など、グラッとくるロールはV70と比べれば大きいが、それとて“FOUR-C”でカバーできる。
FOUR-Cとは、ボルボ独自のアクティブパフォーマンスシャシーのことで、路面状況や走りのシチュエーションに応じて3段階でトラクションコントロールやエンジンマネージメントと協調させ、瞬時にダンパーの硬さを最適化するシステム。なるほど、スイッチひとつでウソのように挙動はピタリと安定する。
「ボルボが熟成を重ねてきたシステムで、車高調整機構こそ備えていませんが、優れた走行性能を提供するという点では、ライバル車の多くが採用しているエアサスペンションに負けていないはずです」(ボルボ・カーズ・ジャパンマーケティング部岡田氏)
ほかにも、超急勾配や低μ路での下り坂で自動的に車速を制御する“ヒルディセントコントロール”を標準装備するなどして、クロスカントリービークルとしての資質を高めた新型XC70。同じ3.2リットルの直6を搭載するV70(FF)の+50万円は、たとえばアウディ『A6オールロードクワトロ』(3.2リットル・V6)よりも170万円以上も安く、コストパフォーマンスの高さが際立っている。
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