駐車場内での死亡事故、検察の立証不十分で無罪に

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2005年6月、神奈川県横浜市都筑区内の駐車場内で1歳の男児をはねて死亡させたとして、業務上過失致死罪に問われた44歳の男性に対する判決公判が10日、横浜地裁で開かれた。裁判所は検察側の立証不十分を理由として、男性に無罪を言い渡した。

問題の事故は2005年6月25日の午後6時40分ごろ発生している。横浜市都筑区東山田3丁目付近にある駐車場で、44歳の男性が運転する乗用車が1歳の男児をはねた。男児は頭部を強打したことが原因で死亡。男性は2006年6月に業務上過失致死罪で在宅起訴されている。

検察側は「事故直前、死亡した男児はクルマの約7m前方に位置していた」と主張。男性が男児の存在に気づかず、クルマを漫然進行させたことで事故が起きたとした。当時、一緒に遊んでいた男児の兄(事故当時は7歳)も、検察主張に沿った証言を行っている。

これに対して男性は「駐車場で男児の姿を見ていない」と真っ向から反論。クルマの前部ではなく、底部から事故の痕跡が発見されていることもあり、「事故当時はクルマの下に潜り込んでいた可能性が高く、こうした事態は予見不可能だ」と主張していた。

10日に行われた判決公判で、横浜地裁の倉沢千巌裁判官は「死亡した男児のサンダル痕は底部から発見されており、男児はクルマのすぐ前方もしくは底部に潜り込んでいた可能性が高い」と、被告男性側の主張を容認した。

検察側が根拠とする兄の証言については「年齢を考慮すると、尋問に迎合する可能性が高い」と指摘。検察側の立証も不十分として、被告に対して無罪を言い渡している。

《石田真一》

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