簡単な初期設定を済ませたらさっそくジョギング開始
ForeAthlete305の使用にあたっては、自分の性別、体重、生年月日だけは事前に入力する必要がある。これは消費カロリーを算出するのに必要だからだ。続いてハートレート用トランスミッターを装着。これで準備完了だ。
屋外に出てから本機の電源を入れて衛星を補足するのを待つ。続いてハートマークの横に心拍数が表示されるのを確認。あとは「Start/Stop」ボタンを押してタイマーをスタートさせ、走り出すだけだ。
本機はジョギング、ウォーキング、自転車などに使えるが、その違いによって設定を切り替える必要はない。これは移動速度によって自動的に判別するからだ。判別の基準となる速度は設定変更することもできる。
走っているあいだはディスプレイを見れば経過時間、距離、消費カロリー、ラップペースなどが一目瞭然だ。これらのデータは一度に表示されるわけではなく、ページ切り替えで必要なデータを表示させることができる。ちなみにラップペースとは速度を1kmあたりの時間に置き換えたもの。ラップタイムではないから1km走ってからの表示ではなく、走り出した瞬間からリアルタイムで表示される。
ディスプレイには心拍数も表示されるが、これは数字が小さくて走りながら読みとるのはほとんど無理だ。あとでパソコンでデータを表示するときのためと考えた方がいいだろう。ただ、アラート機能を設定しておくことにより、一定の範囲より心拍が速くなったり、逆に遅くなったりしたときにブザーを鳴らすことができる。
◆小型GPSとしては精度は十分
ForeAthlete 305を身につけた限りでは本体やハートレート(心拍数計測)用トランスミッターが運動のジャマになるのではないかと思っていたが、使ってみるとそんなことはなかった。本体は見た目から想像するより軽く、腕を振ってもまったく気にならない。トランスミッターは装着する位置が悪いとずり落ちそうで気になるが、装着のコツが分かればその心配もなくなる。
つぎに気になるのはGPSの感度だ。本機は非常に小型だが、ビルや樹木の下など上空があまり開けていない場所でも測定不能になることはない。超小型GPSは少しでも条件が悪くなるとあっさりと測位不能になるものが多いのだが、本機はかなり優秀。本体形状やアンテナの場所を工夫した成果だろう。
◆ペース配分に一役買うバーチャルトレーナー
いくつかの機能も試してみた。自動ポーズ機能は立ち止まるとすぐに「タイマーストップ」と表示され、走り出すとすぐ復帰する。仕組みは分かっていても不思議に感じてしまう程よくできている。
よくできているといえばバーチャルトレーナー機能が意外なほど使える。オマケ機能程度に思っていたが、使ってみるとその印象は一変。一人で走ることの多い素人ランナーにこそ必要で便利な機能だ。
バーチャルトレーナー機能を有効にすると黒い小さなランナーがディスプレイに表示され、設定したペースで走る。その下には自分との距離が表示され、そしてここが意外と大切なのだが、走り終わったときにバーチャルトレーナーより前にいれば「あなたの勝ちです」、後ろなら「あなたの負けです」と表示される。
バーチャルだろうがとにかく伴走者がいるというのは気持ちの上でまったく違う。そして大げさでなく本当に「負けてたまるか」という気持ちになってしまう。その効果が大きすぎてつい無理をしてしまうほどだ。しかし無理は禁物なので、バーチャルトレーナーの設定は速くしすぎないように気を付けた方がいい。