矢野経済研究所は、「自動車整備の業界動向調査」を実施し、その結果をまとめた。
調査結果によると、自動車整備業の売上高は2003年に底入れ感がみられて微増傾向に転じた。しかし、今後は、国内経済の成熟化や人口の減少に伴って自動車保有台数が減少し、自動車整備の需要も減少することが見込まれる。
業態別の動向では、これまで一般的な整備工場に入庫していた需要が、異業種やディーラーへ拡散し、専業の整備業者の事業規模が縮小している実態が改めて明らかになった。ただ、自社の位置付けを確立して顧客から選ばれる整備専業工場は、安定しており、事業者による格差が広がっている。
400社の事業実態調査の結果、車検整備を中心とした本業では、顧客が納得する作業を行うなど顧客との信頼関係を構築し、自社を特徴化・個性化しようとする姿勢がみられる。また、リース事業やチェーン加盟業務などの事業手法は、業者によって姿勢が異なる。
VOC規制(揮発性有機化合物の排出規制)への対応や、故障診断機の導入など、事業環境変化への投資完了は半数程度にとどまり、小規模事業者の対応が遅れているとしている。
調査は、整備業者400社への事業内容調査を中心に、自動車ディーラー、カー用品店、石油元売会社、ガソリンスタンド、FCチェーン本部など、自動車整備に関連する企業、団体、行政などが対象で、昨年6月 - 12月にかけてアンケートや面談で調査した。