金属片の投げ込み事件、暴行罪を適用した実刑判決

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2006年1月、神奈川県逗子市内の県道を走行中の対向車の運転席部分に対し、金属片を投げつけたとして、殺人未遂などの罪に問われた41歳の男に対する判決公判が18日、横浜地裁で開かれた。裁判所は被告の殺意を否認。殺人未遂罪ではなく、暴行罪を適用。懲役6年実刑を命じている。

問題の事件は2006年1月28日未明に発生している。逗子市山の根3丁目付近の県道を走行していた軽トラックに対し、対向車から約700gの金属片(長さ約8cm、幅約5cm、厚さ約2cm)が投げつけられた。金属片の直撃を受けたフロントガラスは破損。金属片は車内に飛び込んだが、クルマを運転していた30歳の男性と、助手席に同乗していた58歳の男性(年齢はいずれも事件当時)にケガはなかった。

逗子市や隣の鎌倉市では、歩行者やクルマに向かって金属片を投げつける事件が相次いで発生しており、警察では同年11月に41歳の男を殺人未遂などの容疑で逮捕した。歩行中に被害を受けた女性は重傷を負っているため、警察では「未必の殺意が生じていた」と判断。検察もこれを支持し、殺人未遂などの罪で起訴していたが、弁護側は無罪を主張していた。

18日に行われた判決公判で、横浜地裁の栗田健一裁判長は「監視カメラの映像から、被告が犯人であることについて疑いはない」として、弁護側の無罪主張を退けた。

その上で裁判長は「投げ込んだ金属片が直撃すれば、(それを受けたクルマの乗員が)死亡する危険性は高い」としながらも、「被告が事件当時、どのような意図を持って金属片を投げ込んだのかを推認するのは困難」、「確定的な殺意ではなく、愉快犯的なものと考えるのが相当」として、検察側主張の確定的殺意も退け、暴行罪を適用した懲役6年の実刑判決を言い渡している。

《石田真一》

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