VW エコドライブ 体験…まず燃費を意識せずに走行

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VW エコドライブ 体験…まず燃費を意識せずに走行
VW エコドライブ 体験…まず燃費を意識せずに走行 全 5 枚 拡大写真

フォルクスワーゲン(VW)グループジャパンは「エコドライブトレーニング」を行っている。エコドライブトレーニングとは、VWが2001年からドイツでユーザー向けに展開している、CO2排出量を抑制する運転のトレーニング。記者がそのトレーニングを体験してみた。

トレーニングの概要は、決められたコースをまず燃費を意識せずに走行し、その後省燃費走行に関する簡単な座学講習を受け、2回目に省燃費走行にトライするというもの。講習用の車両にはトレーナーが同乗している。1回目の走行のときにはほとんど何も口出しせず、2回目のときには受講者の運転を見ながら適宜アドバイスを行う。

講習用車両にはVWの現行モデルが使用される。取材班に回ってきたのは1号車『ゴルフGT TSI DSG』。1.4リットル直4という小排気量エンジンをスーパーチャージャーとターボの2つの過給器でブーストし、最高出力170ps、最大トルク24.5kgmという性能を得たモデルだ。トランスミッションはVWが急速に採用を拡大させている機械式AT「DSG」。この両技術により、14.0km/リットルという良好な10・15モード燃費値を達成しているという。

当日の試乗コースは東京お台場一帯。ゴー&ストップを繰り返すフジテレビ本社付近、長時間の信号待ちが発生する国道357号線との交差点、スムーズに流せる船の科学館付近…と、いろいろな交通環境がミックスされたコースだ。

ドライバーのジャーナリスト、井元康一郎は、実はVWのTSIエンジンも機械式ATのDSGもまったくの未経験。省燃費トレーニングを受けながら、本当に加給エンジンの不自然さはないのか、DSGはいささかなりともギクシャクしないのかといった点をこの機会に見てやろうと意気軒昂。

11時45分、いよいよスタートした。助手席にトレーナー、リアシートに重装備のカメラマンとエディターの計4名乗車は、動力性能的にも燃費的にもいささかビハインドになると思われたが、小排気量・高加給圧のTSIエンジンは出足から余裕たっぷり。DSGもトルコン式ATに比べてジャダー(ガクガクする動き)が出るわけでもなく、きわめてスムーズ。聞けば、デビュー当初と比べてもかなりフィーリングは向上したとのこと。

制限速度の範囲内でダッシュを試みたり、国道357号線で1分ほどの信号待ちがあったりと、燃費に不利な局面も一部あったが、全般的には比較的スムーズな走行環境のもと、およそ20分間をかけてコースを走り終えた。

講習車には燃料消費量、燃費、車速、走行距離などを詳細に解析し、記録できる装置が取り付けられている。ちょうどレーシングカーにおけるデータロガーのように、走行の後にエンジン回転数、走行距離などをグラフ化して、受講者にアドバイスを行うのだ。

第1回目の走行を終えたときにディスプレイに表示されていた燃料消費率は10.09リットル/100km、すなわちリッター9.9km。平均車速は20km/hと、東京都心よりはやや速めであった。ちなみにこの間のCO2排出量は約1kg。「その辺を少し走り回っただけでCO2が1kg!! 気体で1kgというと体積は…」などと想像すると、いささか憂鬱な気分に。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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