昨年11月、和歌山県岩出市内の県道で、大型トレーラーに積載していたゴミ収納容器(重量約4トン)を脱落させ、対向車の運転手を死亡させたとして、自動車運転過失致死罪に問われた31歳の男に対する判決公判が10日、和歌山地裁で開かれた。裁判所は執行猶予付きの有罪判決を命じている。
問題の事故は2007年11月19日早朝に発生した。岩出市押川付近の県道・風吹トンネル(全長312m)を走行中の大型トレーラーが、トンネル内の左側側壁に接触。荷台に積載していたホッパーと呼ばれるゴミ収納容器が対向車線側に落下した。
ホッパーは対向車線を走行してきた69歳男性が運転する大型トラックを直撃。大型トラックの運転席部分は大破し、運転していた男性が頭部強打で即死。警察ではトレーラーを運転していた30歳(当時)の男を自動車運転過失致死の現行犯で逮捕。検察はその後、男を同罪で起訴していた。
10日に開かれた判決公判で、和歌山地裁の荒木美穂裁判官は「被告はトレーラーの荷台幅より、積載していたホッパーの幅の方が広いことは認識していた」と認定した。
その上で裁判官は「被告は何の根拠も無く、積荷が壁面などにぶつからないと判断するなど、業務命令を理由に安易に運転を行うなど、基本的な注意義務を怠った」、「職業運転手として特に安全運転に努める必要のある被告の過失責任は非常に大きい」と指摘しながらも、被告が反省していることについては情状の酌量を認め、禁固1年6か月(執行猶予4年)の有罪判決を言い渡している。