新日本石油は、「水素フリーDLC膜をコーティングしたエンジン用バルブリフター及びDLC対応5W-30 GF-4省燃費エンジン油の開発」に対し、日産自動車、神奈川県産業技術センター、リケン、日本アイティエフと共同で、日本トライボロジー学会から2007年度技術賞を受賞したと発表した。
日本トライボロジー学会の技術賞は、トライボロジー(摩擦する表面と潤滑に関係する科学技術)分野で、独創性、新規性、品質、性能の優秀性が認められ、今後の社会貢献が期待できる新製品・新技術に与えられる賞。
今回受賞した技術は、エンジン内部のカムシャフト/バルブリフター間の摩擦を大幅に低減できるDLC膜をコ−ティングしたエンジン用バルブリフターとそのDLC膜に最適なエンジン油の組み合わせによるもの。
自動車の省燃費化に寄与し、世界で初めて量産ガソリンエンジンに適用された実績が高く評価され、今回の技術賞の受賞となった。
DLC膜は、従来の非炭素系硬質薄膜に比べ耐摩耗性や低摩擦特性で高い性能を発揮するが、従来の省燃費エンジン油ではこの特性を引き出すことができないため、新たなエンジン油が求められていた。
新日本石油は、DLC膜に適した金属を含まない無灰型摩擦調整剤を配合することで、省燃費だけでなく、金属を含まないことによる環境負荷低減も同時に実現するエンジン油を開発した。