意識不明で追突、被告は起訴事実認める

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昨年7月、山梨県で運転中に持病の発作を起こし、意識不明で前走車に追突、意識回復後に逃走を図った41歳の男に対する初公判が15日、甲府地裁で開かれた。検察側は「危険を認識しながら運転」したとして禁固1年2か月を求刑、被告側は情状の酌量を求めている。

問題の事故は2007年7月6日の午後1時45分ごろ発生した。甲斐市下今井付近の県道を走行していた50歳女性の軽乗用車が信号待ちのために停車したところ、後続の乗用車が減速しないまま追突した。

この事故で軽乗用車は大破。乗っていた2人が骨折などの重傷を負ったが、追突してきたクルマはそのまま逃走。さらに後続のクルマは山梨県警の捜査車両(覆面パトカー)だったことから追跡を開始し、約300m先で強制抑止。運転していた40歳(当時)の男を自動車運転過失傷害と道路交通法違反(ひき逃げ)の現行犯で逮捕している。

その後の調べで、男は事故直前に疾病を原因とする発作で意識を失っていたことや、衝突の衝撃で意識を取り戻したことがわかった。また、この事故の約1週間前にも同様の発作を起こし、物損事故を起こしていたことも判明している。

15日に甲府地裁で行われた初公判で、被告の男は起訴事実を全面的に認めている。続いて行われた冒頭陳述で、検察側は「被告は医師から意識を失う危険性を指摘され、運転禁止を命じられていたにもかかわらず、通勤でクルマを使い続けた」と指摘。「事故当時はコントロールを失っていたが、これは居眠り運転や酒酔い運転に匹敵する危険がある」、「被告自身も危険を認識しながら運転を続けるなど、規範意識に乏しい」として、裁判所に対して禁固1年2か月を求刑している。

弁護側は全面的に非を認めた上で、裁判所に対しては「現在も疾病で休職しており、健康的な問題もある。本人は反省しているので情状の酌量を認め、寛大な処罰をお願いしたい」と、罰金刑に処すことを求めた。

《石田真一》

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