日本初、国際標準 AUTOSAR に準拠したシステム開発ツール

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キャッツは18日、車載システム開発支援用CASE(Computer Aided Software Engineering)ツール、『ZIPC AUTOSAR』(ジップシー・オートザー)を開発したと発表した。日本で初めて車載電子システムの国際標準「AUTOSAR」に準拠した。

ZIPC AUTOSARは5月14 - 16日に東京ビッグサイトで開催される組込みシステム開発技術展「ESEC」に 参考出展される。

電子制御ユニット(ECU)や車内LANなどの車載ソフトウェアは年々複雑化している。キャッツによると、車載システム用のプログラムコードは2002年に約100万行だったものが、現在は700万行に達しようとしている。この規模は、1980年代半ばの銀行のオンラインシステムのソフトウェア量を上回るという。

キャッツは、このような状況に対応することを目的に、車載ソフトウェア開発ツールの研究を進め、内外の標準化団体に参加し開発を進めている。ZIPC AUTOSARは、日本初のAUTOSAR準拠アプリケーション開発をサポートするツールだ。

国際標準「AUTOSAR」を定義するAUTOSARはドイツメーカーを中心に2003年7月に設立され、日本からもトヨタ自動車をはじめ多くの企業が参加している。アプリケーションとECUとの間のインターフェースを標準化し、メーカーによって仕様が異なるECUに依存しないソフトウェアの部品化を推進している。

ZIPC AUTOSARは、AUTOSARに基づいた4種類のエディタと、設計上の制約を検査するためのバリデータ(入力データとアプリケーションの適合度をチェックする機能)で構成される。

ZIPC AUTOSARを利用すると、実装するソフトウェアの構造を記述する「SWC&インターフェース図」と「コンポジション図」、「Runnable図」、ソフトウェア配置対象となるハードウェアを記述し、ソフトウェアとの対応付けを設計していく「トポロジー&マッピング図」などを、直感的なGUIによって作成できる。

また、ZIPC AUTOSARは、設計支援機能を提供することも特徴。例えば、ソフトウェアコンポーネントを配置する際に、配置時の制約等を考慮した半自動/自動支援機能を備える。EclipseべースでAUTOSAR準拠のXMLスキーマに沿ったファイルフォーマットを使用しているため、既存ツール群との連携も簡単だという。多言語対応。 

キャッツはZIPC AUTOSARを、車載システム向け開発支援ツールのプラットフォームと位置づける。今後はZIPC上で展開してきたフォーマルメソッドによる検証技術なども取り込んでいくという。

《高木啓》

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