住友金属、ラインパイプの亀裂伝播の停止実験に成功

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住友金属、ラインパイプの亀裂伝播の停止実験に成功
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住友金属工業は、イタリアのサルディニア島で、「X100超高強度大径溶接鋼管」について実スケールでの高速亀裂伝播停止実験を実施し、世界で初めて成功したと発表した。

実験により同社開発の鋼管亀裂伝播シミュレーションモデルの正しさと、同社のラインパイプ用大径溶接鋼管に関する研究レベルの高さが実証されたとしている。

天然ガスは二酸化炭素の発生量の少ないクリーンエネルギーだが、同社は次世代の天然ガス高圧輸送用大径溶接鋼管としてX100超高強度ラインパイプの開発を進めている。今回の実験の成功により、X100天然ガス高圧高効率輸送用ラインパイプの信頼性とシミュレーション技術の高さが世界に認められることになったとしている。

天然ガスパイプラインは、高圧がかかった状態で亀裂が発生すると、管の長手方向に亀裂が高速で伝播する性質がある。亀裂が長距離にわたって広がり、大量の天然ガスが漏れた場合、大きな事故につながる恐れもある。

今回同社は、20MPa以上の高圧下でも亀裂がどこまで広がるかを予測できるシミュレーションモデルを独自開発した。これをもとに、一定の靭性値を持った鋼管を配列し、停止距離を求める実験方法を初めて採用した。

イタリアで行った実験では亀裂を発生させた箇所から左右に約8 - 10mで亀裂は停止し、シミュレーションモデルによる予測値と高い精度で一致した。

これによってX100超高強度ラインパイプは、20MPa以上の超高圧天然ガスパイプラインに使用した場合、何らかの原因で亀裂が発生しても伝播を停止できることが実証されたと、している。実験には有力な顧客が立会い、結果を現地で確認した。

また、停止距離が予測値と高い精度で一致したことは、同社独自のシミュレーションモデルの高い予測性を証明したとしている。

同社では今後、さらに異なる外径や板厚、ガス条件についての実験を行い、X100超高強度ラインパイプの適用可能範囲を拡大できるように顧客に対して実証データを提供する方針だ。

《レスポンス編集部》

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