タクシープローブで勝負をかける。全力案内の戦略…ユビークリンク社長インタビュー 後編

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タクシープローブで勝負をかける。全力案内の戦略…ユビークリンク社長インタビュー 後編
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プローブ以外のコンテンツも拡充

全力案内!の主力コンテンツは「プローブ情報」であるが、他のコンテンツも精力的に拡充していく。直近では、4月25日にアプリとサービスのバージョンアップを図り、「ガソリンスタンドの時価情報」や「駐車場の満車・空車情報」、「高速道路料金情報」などを追加する。

「リアルタイムコンテンツの充実というのは我々としても力を入れている分野でして、例えば、ガソリンスタンドの時価情報などはとてもニーズがあります。

また、新たな取り組みとしては、高速道路の料金というのはETCの時間帯割引や(試験的な)距離別料金などで複雑になっていますが、これがきちんとルート検索で反映されるようにします。『ETC割引で、何時に、どこのICで降りると安い』といったことがわかるようになるのです」(増田氏)

高速道路の料金体系は、ETCの普及と各高速道路会社の柔軟な料金施策によって、昨今は短期的な変動が激しくなっている。HDDやDVDに情報を保存する旧来型のカーナビだと、リアルタイムにこれらの料金施策の変動に対応するのは難しいが、サーバーですべての情報を管理する携帯ナビならば、高速道路の料金変更にすぐさま対応できる。ETCの各種割引・料金施策にすべて対応するナビゲーションサービスは、「(現時点で)我々の全力案内!だけになるはず」と、増田氏は話す。

「クルマ向け以外では、(電車利用者向けに)定期券を考慮した乗り換え案内にも対応する予定です。これが実現しますと、ユーザーの持つ定期券適応区間を踏まえて、最も安くて効率的な乗り換え案内ができるようになります」(増田氏)

◆今年はプローブを成長させ、将来的にPNDも視野に入れる

ユビークリンクは携帯ナビ市場では後発であるが、野村総研のシステム開発力を背景に、頻繁なバージョンアップとサービス改善を繰り替えてしている。ユーザーの声に耳を傾けながら、「週に1回くらいのペースで細かな改善や調整を施している」(増田氏)という。フットワークよく速いペースで成長するのは、サーバー型の携帯ナビの特徴であり、この分野の大きな可能性になっている。

「今年一年の展望としましては、『プローブ情報』をサービスとしていいものに仕上げていきたい。ユーザーに、そのよさを実感していただくことで、ビジネスが拡大できると考えています。さらに将来を見据えますと、PNDなど携帯ナビ以外への進出も視野にはいるでしょう」(増田氏)

増田氏の大きな目標は、全力案内!を通じて「老若男女すべての方々が、移動手段にかかわらず、『お出かけが楽しいもの』になること」だという。そのために外出時に役立つコンテンツやサービスを積極的に増やしていく考えだ。

プローブというITS分野の要素に注目し、勢力拡大を図るユビークリンク。携帯ナビサービスの成長と競争は著しいが、その中でも“クルマ向けサービス”を優位性に据える同社の動向は、自動車業界の視座からも注目しておいて損はないだろう。

《神尾寿》

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