トヨタ紡織は、自動車内装部品に使用している1年草ケナフの種子開発をインドネシアで本格的に開始したと発表した。
トヨタ紡織は、1990年代後半から、環境にやさしい植物「ケナフ」を自動車内装部品に活用する研究を進めており、これまでインドネシアの子会社アバディ・バリンド・オートテック(ABA)がカリマンタン島での実験農場をはじめ、栽培から製品化までを一貫して行ってきた。
国内で2000年に発売されたトヨタの『セルシオ』にケナフを使用したドアトリムの基材が採用されたのを皮切りに、現在では高級車を中心に5部品、延べ27車種に採用されている。
しかし、内装部品のオール植物化をめざす上で、農作物であるケナフを、自動車内装部品という工業製品に使用するには、品質・量・コストを従来以上に安定化させることが必要で、今回インドネシアのIToFCRI(通称=バリタス国立研究所)とケナフ種子開発契約を結び、本格的に種子開発に着手した。
今後、乾燥地域でも生育可能な種子、早生型種子など、安定して収穫量を確保できる新品種の開発と自動車部品に応用できる新たな植物の研究をバリタス国立研究所と共同で行う。