アウディAGは、4000万ユーロを投じて本社工場所在地のドイツ、インゴルシュタットに「プリ・プロダクションセンター」を開設したと発表した。
同センターは、製造部門と技術開発部門のネットワーク化を図り、製造およびプロセスの検証の期間短縮を可能にするとしている。5階建てのセンターは、ニューモデル開発の質と効率を最適化する目的で専用設計した。
製造部門と技術開発部門がセンターを共有、新製品の開発製造過程を積極的に支援する。アウディAG技術開発担当のミヒャエル・ディック取締役は「初期段階でネットワーク化を図ることができれば、2015年までにモデルラインナップを40車種に拡大するとともに、最高のクオリティを提供できる」としている。
同センター開設に伴って、これまで各工場に分散していた約850人のスタッフは、3万2500平方メートルのワークショップとオフィスに集約する。
プリ・プロダクションセンターは、さまざまな技術開発の選択肢を提供する。例えば「ケイヴ」と呼ばれるプロセスでは、最先端のバーチャル・リアリティ・テクノロジーを駆使して、製品の初期コンセプト立案段階で、プロトタイプの実現可能性を検証することができる。また、プロトタイプの製作と並行して、デザインを進めることも可能。さらに、バーチャル・リアリティ・テクノロジーは、実際の製造を実施する前に、そのプロセスを系統的にシミュレートする際にも役立つ。あらかじめ問題を特定し、その解決を図るとともに、より効率的なワークフローの設計を行うことも可能と、している。
特に技術開発部門における試験車両製作と製造部門のパイロットプロダクションショップをひとつ屋根の下に収めることで、開発および製造部門のネットワーク化が図れる。