住友金属、超高強度耐サワー低合金油井管に恩賜発明賞

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住友金属工業は、「超高強度耐サワー低合金油井管の発明」が発明協会による全国発明表彰で、最高位の「恩賜発明賞」を「発明実施功績賞」と併せて受賞した。

恩賜発明賞の受賞は、同社としては初めて。また、鉄鋼業界としても約20年ぶりとなる。発明品は、CO2発生量が少ないクリーンエネルギーである天然ガスの安定供給に寄与することで、気候変動防止に貢献する。

発明は、これまでにない強度と耐食性を兼ね備えた、石油・天然ガス採掘用鋼管に関する発明。

CO2排出量削減の要請から、世界のエネルギー需要は石油から天然ガスへ移行する傾向にある。天然ガスは石油に比べて地下数千メートルの高深度で、腐食性の強い硫化水素(H2S)を含んだ非常に厳しい井戸環境(サワー環境)に存在する。使用される油井管には、鋼管の自重と地層の圧力に耐える強度と耐食性の両立が要求される。

しかし、サワー環境では硫化物応力割れと呼ばれる腐食に起因した高強度鋼の脆性破壊が起こるため、従来鋼では高強度と耐食性の両立が困難で、耐サワー油井管の最高強度は110ksi級(降伏強さ758MPa級)とされてきた。

同社の今回の発明では、硫化物応力割れが、鋼の中に含まれる不純物を起点に発生することを明らかにし、介在物を微細分散させることで硫化物応力割れを防止することに成功した。

発明技術を活用した油井管は、BP社、StatoilHydro社との共同研究を通じて、両社の認定を取得し、2003年に世界で初めて最高強度125ksi級の耐サワー油井管として北海油田で実用化した。これにより従来不可能とされていた4000 - 6000m級の高深度・高耐食性の天然ガス井戸開発が可能となった。

《レスポンス編集部》

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