【清水和夫のサステナブル・リポート】三菱i MiEV その3…“これでいい”ではなく“これが欲しい”と実感する出来

自動車 社会 社会
【清水和夫のサステナブル・リポート】三菱i MiEV その3…“これでいい”ではなく“これが欲しい”と実感する出来
【清水和夫のサステナブル・リポート】三菱i MiEV その3…“これでいい”ではなく“これが欲しい”と実感する出来 全 2 枚 拡大写真

さて、2007年の東京モーターショーでは三菱のi MiEVとスバルのR1eという2台の電気自動車が話題となった。お互いに東京電力と共同で充電インフラを整え、近いうちに電気自動車を実用化する計画だ。目標コストは200万円以下とメーカーは考えているが、現状ではまだそこまでコストは下がってない。

しかし、今回i MiEVに乗ってみると、じゅうぶん実用化できるレベルに性能が達したと思った。誤解を恐れずにいえば「これでいい」と表現するよりも「このクルマが欲しい」と思わせるほどの走行性能をもたらしてくれるのだ。

モーター駆動の特徴である低速のトルクは、音のしないディーゼル車のようだ。ミッドシップに重いパワートレインが搭載されるから、安定性はどっしとして頼もしい。これほどの走りの魅力が備わっていれば、何も200万円に固執する必要はないのではないだろうか。

例えば最近のTVは安いブラウン管は売れず、高い液晶やプラズマが売れている。つまり、軽自動車の大きさなので200万円が上限という考えは古典的だ。ミッドシップの電気自動車という新しい価値を考えると、プレミアムな電気自動車が誕生したといえるだろう。

i MiEVの心臓部のバッテリーは待望のリチウムイオン。充電が素早く行なえるので、従来の電気自動車のネックとなっていた充電時間は大幅に短縮できる。

小型化と軽量化も進み、軽自動車のボディにすっぽりと収まるサイズに進化した。家庭でも三相200Vの電源があれば充電時間はさらに短縮。ちなみに我が家には家庭用燃料電池発電システムが備わっているので、『天然ガス - 水素燃料電池 - i MiEV』という流れで電気を利用できるのだ。

東京電力では深夜電力を利用するとコストも安く、しかも原子力の比率が高まるので、CO2排出量は少なくなると考えている。都市部の駐車場で充電ができれば、もう実用化は近いだろう。前出の三菱i MiEVであるが、まずは法人を対象としたリース契約の申し込みが始まるといわれ、早速、新生EV実用化を果たすサステナブル・モビリティを実感したいと思った。

《清水和夫》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 21車種・64万台超、トヨタ自動車の大規模リコールに注目集まる…7月掲載のリコール記事ランキング
  2. 「復活まじうれし!」「全色欲しい」新型スズキ『GSX-R1000』発表に、SNSは話題沸騰!
  3. トヨタ「クラウン」「アルファード」など21車種、64万台超の大規模リコール[新聞ウォッチ]
  4. 約10万円で200km以上走るEVバイク登場に「現実的な選択肢」、ベトナムから日本上陸に期待の声
  5. ホンダ『N-ONE e:』の価格を予想、280万円台からか…実質ガソリンモデル並み?
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  4. 栃木ホンダ販売、テラチャージの急速充電器設置…EV充電環境を強化
  5. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
ランキングをもっと見る