衝突誘発、母親殺害で被告の控訴棄却

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走行中のクルマのハンドルを強引に切って対向車との衝突を誘発、運転していた母親を殺害したとして、殺人や傷害の罪に問われている30歳の女に対する控訴審判決公判が24日、仙台高裁秋田支部で開かれた。裁判所は一審の秋田地裁判決を支持、被告の控訴を棄却した。

問題の事故は2007年3月22日午前に発生した。秋田県男鹿市脇本田谷沢要沢付近の県道を走行していた54歳女性の運転する乗用車が対向車線側に逸脱。対向車線の普通トラックと正面衝突した。双方の車両は大破、乗用車を運転していた女性が首の骨を折って死亡、対向のトラックを運転していた43歳の男性も右足骨折の重傷を負った。

事故は逸脱のクルマに同乗していた29歳(当時)の女がハンドルをつかみ、対向車線側へ強引に進行させたことで発生したことが後に判明。女は殺人と傷害容疑で起訴されたが、一審の秋田地裁は弁護側の「事故当時は心神喪失か心神耗弱の状態にあった」という主張を認めず、刑事責任能力を有しているとした上で懲役7年6か月の実刑判決を言い渡している。

被告側は控訴。弁護側は「被告は母親の気を引く目的でハンドルを押しただけであり、母親への殺意はもちろん、結果的に重傷を負わせたトラック運転手に対する傷害の故意もなかった」と主張していた。

24日に開かれた控訴審判決公判で、仙台高裁秋田支部の竹花俊徳裁判長は「被告が母親を道連れに無理心中を試みた結果、発生した事故」という検察側の主張と、一審の秋田地裁判決を支持。「被告の主張は極めて不自然である」として、控訴を棄却した。

《石田真一》

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