2 | イタリア式と付き合う3か条 |
最近は、ようやく駅の切符販売機も台数が増えてきた。ただし見ていると、いまだ販売機を使わない人が多い。事実、販売機の前には誰もいないのに、駅員のいる窓口には長蛇の列ができていることがよくある。
理由として、まず機械が少々神経質で、紙幣を飲み込まなかったり、カードを読み取らなかったりすることが多いことがある。そうこうしているうちに発車時間にどんどん近づいてゆくと焦る。
加えてイタリアの鉄道は、運行ダイヤはもとより、ユーロスター、インターシティ、鈍行と、料金体系も複雑だ。
「たしかに速いが、ユーロスター料金が法外に高い」「この時間帯は鈍行のほうがちょっと遅く着くけど、おトク」など、販売機が教えてくれない微妙なニュアンスで列車を選ぶことが多い。駅員と相談して決めたほうが手っ取り早いのである。
自動販売機の派生型ということで、ついでに銀行のCD機についても説明しよう。ここ1 - 2年はようやく振り込み可能な機械が設置されるようになったが、基本的に引き出し専用である。なお、タッチパネル式は普及しておらず画面脇のボタンを押す。ボクなども日本から戻ってすぐは、つい画面そのものを押してしまう。
ここでイタリア式自動販売機で、商品が出てこないときの3原則を記そう。
その1:待つ。機械のワンアクションに時間がかかるから。忘れた頃に出てくることがある。
その2:叩く。飲み物や食料品の販売機では解決することが多い。
その3:周囲に管理者がいたら声をかける。
ただし「その2」「その3」はCD機でやるのはご法度だ。前者はアラームが作動することがあり、後者は親切な人や銀行員を装って暗証番号を聞き出す犯罪が多発しているからだ。
商品購入にあたっては、なるべく金額きっちりの硬貨を用意することも基本だ。お釣りは出ないか、足りないと思ったほうがよい。また、アパートや求人の貼り紙に埋まった販売機は、すでに「死んでいる」と判断すべきだ。