松下電工は、テレビやAV機器など、家電製品に搭載されるプリント配線板に使用されている紙フェノール銅張積層板の価格を再度値上げすると発表した。8月1日出荷分から、現行価格から20%値上げする。
紙フェノール銅張積層板の主原料である銅箔、原紙、各種薬品などの高騰を受け、同社では今年4月に値上げを実施している。
その後、原紙の更なる値上げ、原油価格の高騰により、ワニスの原材料となるメタノール、ホルマリンなどの薬品価格も急騰している。特に難燃剤は中国の原料輸出規制の影響で入手難とともに、記録的な高値の更新が続き、これに加えて、電気、天然ガスなどのエネルギーコストが過去にない上昇を見せている。
同社では、原材料価格、エネルギーコストの上昇を、社内の徹底した製造合理化、費用の大幅削減などで吸収すりため取り組んできたが、これらの自助努力だけでは困難で、顧客への安定的な供給責任を果すため、やむを得ず原材料などのコスト増加分の一部を今回改めて製品価格に反映させるとしている。
同社の紙フェノール銅張積層板は、中国・蘇州、タイ・アユタヤで生産している。