出光、SPS樹脂の生産能力を増強

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出光興産は、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)樹脂「ザレック」について自動車用途を中心に需要が急増していることを受け、2009年6月に千葉工場の製造装置(プラント)の年産能力を現状よりも2000トン増強し、7000トンにする。

2009年6月の定期修理(SDM)時にSPS樹脂製造装置は、能力増強工事を行い、年産能力を7000トンに引き上げる。さらに、能力増強に合わせて、次世代高機能フィルムグレード開発に向けて、年内に千葉工場内にあるSPSパイロット設備を再稼動させる。

SPSに対する需要は今後も2ケタの成長が続くことが予想されるため、第2プラント建設の検討も進める。

SPS事業は、日本、アジア、北米、欧州にコンパウンド拠点を整備し、世界4極で製造・販売体制を確立してグローバル展開を推進している。今回、能力増強することで、安定供給体制を強化する。

SPS樹脂は高い耐熱性・電気特性により、自動車用電装部品向け需要が拡大しており、鉛フリーはんだ対応のコネクタや低CO2化に向けたハイブリッドカーの高電圧部品を中心に需要が拡大している。また、光学用高機能フィルムの需要拡大も期待されている。

これらの特徴を生かし、エンジニアリングプラスチックスとして自動車、電気・電子、家電、日用品の各分野における用途展開を積極的に行っている。

SPSは、出光興産がメタロセン触媒技術を応用し、世界ではじめて発明した結晶性エンジニアリングプラスチックだ。化学構造は汎用樹脂のポリスチレン(PS)と異なって高い立体規則性(シンジオタクチック構造)を持ち、低比重、耐加水分解性、良電気特性、良成形性、高ガラス転移温度などのPSの良好な特性に加え、PSにはない結晶化による優れた耐熱性と耐薬品性を持つ材料。

《レスポンス編集部》

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