富士キメラ総研は、世界の半導体やプリント基板への部材実装の最先端技術の動向、関連する材料、装置の市場動向、将来予測を分析した「2008エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧」をまとめた。
デジタル機器の小型化が進展しているのに伴って、プリント配線板への部品の高密度実装や基板も小型化が進んでいる。現状では従来から使用されていた実装技術や実装部品の小型化が限界となり部品内蔵基板やPoP(多層化)技術を活用した先端実装が拡大しつつある。この技術は携帯電話に始まり、今後はデジタル家電や自動車の車載機器(ECU)に適用が検討されている。
2012年の市場予測では、半導体関連製品・プリント配線板関連製品は46兆9075億円となり、2007年比36%増の成長を見込んでいる。
部品内蔵基板は7億5000万個で、2007年比45倍に増えると予測している。携帯電話以外では、自動車のECUが統合化に向かうため、多機能を盛り込み、かつ基板面積の縮小が求められ、採用されると予測している。
ビルドアッププリント配線基板(ベースタイプ)は2008年が8218億円と見ているが、2012年に9068億円にまで増える見通し。現在増加傾向にあるのは、携帯電話のモジュールとパッケージ基板、純正カーナビのメイン基板だ。モジュールとパッケージ基板は従来からセラミック基板を使用している部分で、一部低コスト化を目的にビルドアップ基板へシフトしている。多層基板を使用しているモジュールもチップの小型化に伴い微細線化が進展し、ビルドアップ基板へシフトしている。純正カーナビでは、無線通信機能が融合したことから、多層基板からシフトしている。