三菱電機と京都大学は、自律型セル生産ロボットシステム開発の連携を本格化して、共同研究を開始すると発表した。
生産工場では最近、生産ラインで1人の人間が複数の作業を行い、多品種変量生産をこなすセル生産方式の導入が進んでいる。
今後は、熟練工の退職や少子高齢化による就業人口の減少傾向への対策として、これまでの人によるセル生産から、熟練工のノウハウを組み込んで生産性を上げることができるロボットによるセル生産方式が期待されている。しかし、現状のロボットには、動作プログラムを作成する手間が多く、エラーを起こした際にロボット自らが判断して正常状態に復帰する柔軟性が無いなど、複雑な作業工程にロボットを使用するには課題が多いのが現状だ。
三菱電機は、小型電機製品向けの組み立てロボットで国内トップシェアを持ち、生産現場におけるノウハウなどを数多く持つ。一方、京都大学は、大学院工学研究科機械理工学専攻、航空宇宙工学専攻、マイクロエンジニアリング専攻の分野で培ってきた人間機械協調システム工学、ロボット工学、生産システム工学などの豊富な研究実績に裏付けられた高度な学術的知見を持つ。
今回の連携活動の目的は、両者が互いに補完しあうことで、単独では成し得ない自律型セル生産ロボットシステムの実現を目指す。