【ホンダ FCXクラリティ 登場】クルマであること…長谷川デザイナー

自動車 ニューモデル 新型車
【ホンダ FCXクラリティ 登場】クルマであること…長谷川デザイナー
【ホンダ FCXクラリティ 登場】クルマであること…長谷川デザイナー 全 8 枚 拡大写真

6月16日に第1号車がラインオフしたホンダの燃料電池車『FCXクラリティ』のスタイリングは、ボンネット、キャビン、トランクリッドを持つ3ボックスを意識させる、とても“乗用車ライク”な仕上がりだ。

「燃料電池車のパッケージングはエンジン車と大きく異なります。その特質を生かして宇宙船のようなデザインにすることも可能ですし、そういう案もあったのですが、燃料電池車普及の第一歩であることを考えると、『燃料電池車も現在のマイカーと同じように使えるクルマなんですよ』ということを主張するべきだと考えたのです」

エクステリアを担当した本田技術研究所四輪開発センターの長谷川勝氏は、デザインの意図についてこのように語る。スタイリングは乗用車ライクだが、プロポーションをよく見ると、居住部とホイールベースがきわめて長く、リアのオーバーハングは短く切り詰められるなど、通常のセダンとは大きく異なることがわかる。

あえていえば同じくモノフォルム的なデザインを持つトヨタのハイブリッドカー『プリウス』に近いが、モーターや冷却器などの補器類がコンパクトであることのメリットを生かし、前輪の直前までをキャビンとして使うなど、クルマが持つ機能に対するデザインの必然性という点では、FCXクラリティのほうがさらに理にかなっている。

全体のフォルムだけでなく、ボディカラー、パネルの3次元的造形から細部のデザインまで、様々な工夫を盛り込んだという。

「ミラーにはウインドウ下部と同じように光沢モールを組み込むなど、グラフィックを細かく工夫しました。ドアハンドルもボディ側面のプレスラインの流れに調和した形状と配置にしてあります。宝石のスターガーネットをモチーフとした専用ボディカラーを採用し、ボディ表面に複雑な面のねじれを与えるなどして、ボンネットが短くても高級車に見えるよう工夫しました」

実車のフィニッシュは非常に綺麗であり、燃料電池車が未来の夢ではなく、もはや現実のクルマになりつつあるのだということをアピールするという目的は十分に達成していると言える。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタ RAV4 新型の価格は390万~630万円と予想…電動グレード体系に再編
  2. ホンダ N-BOX など7車種1万2653台リコール…過去の改善措置が不適切
  3. スズキ『ジムニー』、フランス最終モデルは55台限り…6月末に発売へ
  4. メルセデスの名車「190E エボ2」が復刻! 限定100台の「HWA EVO」にハンコック純正装着
  5. メルセデスベンツの万能車『ウニモグ』がキャンピングカーに! 数日間の自給自足が可能
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  3. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  4. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
  5. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
ランキングをもっと見る