『FCXクラリティ』はリース形式で市販はされるが、その台数は3年でたったの200台と、一般ユーザーが抱く“量販”のイメージにはほど遠い。現状では1台ごとに数千万円もの赤字が出る状況だ。
しかし、開発責任者の藤本幸人氏は「福井(社長)は10年後には1000万円以下にしようよと言っています。そこまで行けば、その次のコストダウンは一気に進むと思います」と、意気盛んだ。
「いつでも自由に使えて、力強く走るというクルマ本来の魅力を次世代環境車にも持たせたい。それを実現するのは充電ではない、発電だ。これがホンダの答えなのです」
燃料電池車の生産は今、ささやかに始まったばかりだ。果たしてわれわれユーザーが普通に燃料電池車を乗り回す時代は、どのくらいの年月の後に到来するのだろうか。そのメルクマールとなるFCXクラリティの進化から目が離せない。