新型スズキ『ワゴンR』(9月25日発表・発売)のシャーシ性能の進化は、操縦性だけでなく、静粛性や乗り心地の向上にも表れているとスズキの技術陣は主張する。
軽トールワゴンの世界では、03年にホンダが『ライフ』で静粛性と乗り心地を大幅に高めたのをきっかけに“快適性戦争”が巻き起こった。そのライフや最大のライバルであるダイハツ『ムーヴ』に負けない静粛性を持たせることは、新型ワゴンRが販売台数ナンバーワンの地位を守るためには必須と言える。
まず、CAE(コンピュータ支援設計)による設計段階で、NVH(ノイズ、振動、突き上げ感)を徹底的に抑制するようシミュレーション。さらに試作車を作ってからも、シミュレーションしきれなかった部品ごとの共振による騒音発生を検証し、NVHをさらに削減したという。
個別対策を見ても、液体封入エンジンマウント、吸音タイプの成型ルーフトリム、フロントのウェザーストリップ(ドアとボディの隙間をふさぐゴム製のシール)の二重化など、普通車並みの騒音対策が取られている。さらにカスタムモデルのスティングレーについては、エンジンルーム内やダッシュボードのサイドパネルにも吸音材を設置するなど、さらに防音対策を徹底させている。
旧型ワゴンRは、ライバルモデルがモデルチェンジで静粛性を上げるなか、相対的にNVHではやや不利な立場に置かれていたが、新型でそのネガは相当に改善されたと推測される。