2世代目に進化したシトロエン『C5』。スタイリングを見てまずは「こうきたか〜」と思った。
というのも、先代までのイメージを残しつつ、『C6』のテイストをうまく取り入れているからだ。C6はいわずもがなシトロエンのフラッグシップ。『CX』風デザインを現代的に蘇らせ、賞賛を得たモデルだ。
でもって、ステアリングを握ると、これがうまい具合に“フランス車”している。軽快なハンドリングとフラットな乗り心地は絶妙。ドイツ車とは異なるベクトルでつくられていることがよくわかる。世界中のクルマが“ドイツ車風”になっていることを考えると乗ってるこっちがうれしくなるほどだ。インテリアデザインに関しても同様。ダッシュパネル、シートともにオリジナリティ豊である。
ただ、“シトロエンを買う”ということを本気で考えると、ディーラーのインフラやサービス、クルマ自体の耐久性などいろいろと不安が生じるのも確か。リセールバリューはどうなのか……。C5はクルマがいいだけに、そんなことを考えさせられる。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★
九島辰也│モータージャーナリスト兼コラムニスト
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員、2008-2009日本カーオブザイヤー選考委員。外資系広告界社から転身、自動車専門誌編集長、メンズ誌『LEON』副編集長などを経験する。愛車は993型ポルシェ『911タルガ』他。趣味はサーフィンとゴルフ。東京・自由が丘出身。