ホンダの新型『オデッセイ』は、Aピラーを細くし前方の視界を大幅に改善している。実際に、乗り込んでみると、先代モデルに比べて運転席からの見晴らしが非常によくなっていると感じることができる。
先代モデルのオデッセイは、立体駐車場にも入る低い全高のパッケージングを採用していたためにフロントガラスの傾斜が強く、運転席から斜め前方の視界をAピラーが大きく妨げていた。
新型オデッセイの開発責任者を務めた五十嵐則夫さんは「新型オデッセイはコーナリング時の視界を向上させるために超高張力鋼管を液体の圧力で成形する技術を用いて、細くても優れた強度が保てるAピラーを開発しました」
「この技術によりAピラーの太さは約30%もスリムにすることができました。さらにフロントピラーの強度が上がったことでフロントクォーターピラーをなくすことができたので、右左折の際に歩行者などが死角に入りにくくなりました」
「ほかにも薄型ブレードワイパーの採用やサンバイザーを薄くして少し後方に配置するなど、新型オデッセイでは徹底して視界のよさを追求しました」とコメント。
これにより、新型オデッセイのAピラーは非常に細くなっており、なおかつ、運転席のポジションからは、角度的に細い部分しか見えないようにピラーの配置やカバーの形状が工夫されているので実際の寸法以上に細く感じる。
その結果、交差点などで歩行者が死角に入るようなケースは激減。そして全体的な視界が改善されたことにより、リラックスして運転ができるようになった。視界の狭いクルマだと周囲の状況が掴みにくく緊張感を伴うが、新型オデッセイなら入り組んだ市街地の細い道でも楽に乗りこなすことができた。
ホンダが得意とする走行性能の進化とは少し毛色が違うが、ミニバンに重要視される視認性が大きく進化している点は、強力なセールスポイントとなるはずだ。