2008-2009日本カー・オブ・ザ・イヤーにボクはトヨタ『IQ』に10点を投じた。その理由を解説しよう。
ボクは5 - 6年前から、軽自動車メーカー各社にある提案をしていた。それは軽自動車のボディサイズに1.0リットルのエンジンを搭載したクルマを創りましょう、というものだった。
いくら小さくて軽いボディの軽自動車でも660ccのエンジンでは効率が良くない。900 - 1000cc(1.0リットル)くらいのエンジンの方が走りに無理がなく、排気量が大きくなっても実用燃費は逆に良くなる可能性が高い。1人か2人で乗り、近距離移動が多いならコンパクトなボディサイズでいいわけだし、これからの世の中には受け入れられると思ったからだ。
そんなクルマが軽自動車メーカーからではなく、トヨタからデビューしたのだ。室内は狭いながらも法律的に4人が乗れるし、走ってみるとけっこうダイレクトなドライブフィールで、遊園地のおもちゃに乗っている感覚のおもしろさがある。またガチッとしっかりしたボディは安心感も高い。全体に安っぽく作らなかったことも印象を良くした。
ということで、おもちゃとして1台買うことにした。まだまだ改良しなくてはいけないところがたくさん見つかると思うが、それを見つけてiQを育てて生きたいと思っている。
こもだきよし|モータージャーナリスト
クルマ好きというより運転が好きなモータージャーナリスト。日本自動車ジャーナリスト協会副会長、BMWドライバー・トレーニングのチーフインストラクター、JAF交通安全委員会委員、警察庁各種懇談会委員などを務める。