COTYに対する考え方は各選考委員ごとにさまざまだと思うが、私はCOTYの結果が普通の人の普通のクルマ選びの参考になると良いなと思っている。これがまず基本だ。
このように考えると、小さくて軽くて燃費が良くて安いクルマが基本となり、その上で広くて快適で静かなクルマならなお良く、安全性や環境への配慮はそれ以前の大前提というような基準が立てられる。私はこうした基準を10年くらい前から採用している。さらにいえば、これらの基準を具体的に数値化するなどして選考作業を進めている。
このように考えた結果、ごく当然のように今年のCOTYではトヨタ『iQ』をイチ推しの10点配点車にした。
COTYは今年から記名投票するも開票に当たって氏名は公開しない方法を採用するようになったので、イチ推しのクルマ以外は非公開としたい。
わずかに注釈を付けるなら、『ワゴンR』または『タント』がイチ推しの10点でなかったのは、いずれもABSを標準装備していないグレードが設けられているためだ。
松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。