アウディがTTクーペシリーズ最高峰モデル『TTSクーペ』を日本に投入した。TTSに採用された、デュアルクラッチの6速オートマチックトランスミッション「Sマチック」は一度味わってしまうと、もう元には戻れない。
Sマチックは、小気味よく、ポンポンとシフトアップ&ダウンを繰り返し、ワインディングなどでキビキビとした走りをアシストするのだ。
足回りについてもかなり硬いのでは、と覚悟していたのだが、意外なほどしなやかで我慢などは一切不要。TTS専用のチューニングが施されたアウディマグネティックライドは1秒間に1000回もの演算を繰り返しているといい、フラットな路面だけでなく、荒れたところでも、しっかりと追従してくれるし、攻め込めば絶妙な回頭性をもみせる。
このコーナリングについては横滑りを防止するESPがスポーツモード付きとなっていることも楽しさを倍増させる理由だろう。具体的には2ステージ化することで、ある程度の許容範囲を持たせており、腕に自信がある人なら、積極的なコントロールすらも可能にしてくれる装備だ。
そして気に入ったのはその音。4気筒エンジンならではの軽快さと大出力ユニットの豪快さがうまくミックスされていて、クルマ好きには堪えられないサウンドが車内に響きわたる。
今までのTTがGT的な品の良さをも兼ね備えているとするなら、TTSはまさにスポーツカーといってもいいほどの雰囲気の持ち主だ。