「インターネット端末の標準環境に準拠」…クラリオンMiND開発担当者

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「インターネット端末の標準環境に準拠」…クラリオンMiND開発担当者
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現在発売されているPNDの大半はARM系チップとWindows CEというコンビを採用している。その中にあって、クラリオン『MiND』では、インテル製のAtomプロセッサとLinuxベースのOSを敢えて採用した。

「かつてカーナビゲーション開発とはハードウェア開発とほぼイコールでした。しかし、いまのカーナビ開発の大半はソフトウェアです。当社のカーナビのほとんどは現在、ITRONという国産の組込OSで動いています。他社製の多くはARM上で動くWindows CE系のOSに移行していますし、CEベースのPNDラインナップも当社には存在しますが、今後の選択肢として、x86系プラットフォームで動くLinux OSはソフトウェア資産を構築していく上で魅力に感じています」(商品企画部マーケティンググループ課長の岡田元己氏)

では、なぜLinuxなのか。

「MiNDはインテルが提唱するMoblin(Mobile Linux Internet Project)に基づいてデザインされています。Linuxはインターネットとの親和性が非常に高く、インターネットOSと言っても過言ではありません。そこにはソフトウェア開発のコミュニティが存在し、オープンソースの様々なソフトウェア資産を活用できます。ナビゲーション端末が複合的な機能を求められていく今後は、このソフトウェア開発環境は大きな武器になるはずです。実際、MiNDでもブラウザやミュジックプレイヤーなど多くのアプリケーションがオープンソースをベースにしています」(岡田氏)

一方で、さかのぼればカーター大統領の時代に作られ、その登場から30年を数えるx86アーキテクチャ互換のAtomプロセッサをハードウェアとして選んだ理由はどこにあるのか。

「インテルはPCの市場がいずれ飽和することを理解しています。そこで彼らはPC以外のモバイル機器こそ成長分野と定め積極的に取り組んでいますが、車載分野もそのひとつです。今回、Atomを採用したのは、PCのエンジニアリングが活かせること、そしてインテルが車載用途にも注力しプラットフォームを継続してサポートするという意志を示してくれたことがあります」(市場戦略室担当本部長の中村智明氏)
 
「熱や振動など厳しい車載要件を満たすためにCPUの駆動クロックはかなり落としていますが、それでも性能的には余裕があります。Atomの採用によって、動画や音楽などエンタテインメント系の機能が向上しました。ナビゲーション中でも、ストレスなく他のアプリを動かすことが可能です」(岡田氏)
 
さらに岡田氏は、「Windowsを採用した汎用マシンのDOS/V機が登場してワープロ専用機を駆逐したように、同じようなパラダイム転換はカーナビの世界にも必ずくる」と予見する。クラリオンはモバイルデバイスの親ネットワーク化・汎用化の流れを先取りするものとして、MiNDを位置付けているのだ。

《北島友和》

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