今回のCOTYの面白さは政治の難しさにある。いいクルマなだけでは賞は取れない。良くも悪くもそういうことだ。
その象徴が日産『GT-R』。その存在の重さ、デキの良さは誰もが認めるところだろう。なにしろ選考委員の5人か6人かが実際にGT-Rを買っている。いまだかつてそこまで人気のあったクルマがあっただろうか?
しかし本賞は取れなかった。それは、この省エネ時代の象徴でもあるトヨタ『iQ』の存在もあったが、なによりも日産自身がそこまでGT-Rの重さをわかってなかったからだ。非常に残念だが、そういうことだ。
小沢コージ|バラエティ自動車評論家
横浜市出身。自称、バラエティ自動車ジャーナリスト。某メーカー、二玄社『NAVI』編集部を経てフリーに。現在『ベストカー』『エンジン』『週刊プレイボーイ』『smart』誌など連載多数。愛車はポルシェほか。