アルファロメオ 8Cコンペティツィオーネ、北米で初の納車…その後は「お預け」
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8Cコンペティツィオーネ北米1号車のオーナーとなったのは、映画製作者で投資家でもあるジェームズ・グリッケンハウス氏。2006年に伊ピニンファリーナにカスタムメイドのフェラーリ『P4/5』を造らせたことで話題を呼んだカーコレクターである。
アルファロメオによれば、他の米国在住オーナーによって発注された84台の8Cコンペティツィオーネも、年内にすべて納車される予定という。
アメリカにおいてアルファロメオは、ダスティン・ホフマン主演の映画『卒業』に『スパイダー・デュエット』が登場したことなどから、イタリア車を代表するブランドのひとつである。
そうしたイメージを武器にフィアットは、1990年代中盤以降途絶えていたアルファ・ロメオ・ブランドの北米復帰を、2009年を目標に計画してきた。その過程で、今回の8C納車式はアルファ・ロメオの再上陸の「のろし」となるはずだった。
同時にアルファ・ロメオのアメリカ復帰は、ブランドの起源であるロンバルディア自動車製造会社(A.L.F.A)創立から100周年にあたる2010年の大きな話題となるはずだった。
だが去る10月23日にフィアット・グループ・オートモビルズは、金融危機を考慮してアルファ・ロメオの本格的北米展開の見直しを発表。その開始時期を2011年まで延期することを決めた。
既存のマセラーティ店舗網の活用、BMWとの販売提携など、これまでさまざまな方法が模索されながらも具体的な結論に至らなかったアルファロメオの“アメリカン・ドリーム”は、またもや棚上げにされてしまったかたちだ。
《大矢アキオ Akio Lorenzo OYA》