JFEスチールは、バーレーンにあるフーラ社とペレットの製造プラントをオマーン国に建設することで基本合意したと発表した。
JFEはフーラ社と共同で、ペレット製造・販売を行う合弁会社をオマーンのサララ経済特区に設立する。合弁会社はフーラ社が60%、JFEが40%出資する予定。総投資額は約7億ドルの見込みで、2011年に操業する計画だ。
合弁会社のペレット年間生産予定量は700万トンで、うち半分の350万トンについてJFEが引き取りを行い、残る350万トンについては中東・アジア地域を中心とする直接還元鉄(DR)・高炉メーカー向けの販売する計画だ。
今後、優良鉄鉱石資源の減少が予想される中、JFEは、過去24年にわたるペレット製造の豊富な経験と高い技術、ペレット製造用鉄鉱石の長期契約(25年以上)を持つフーラ社と共同でプロジェクトを実施することで、競争力の高い原料の長期的・安定的な確保を目指す。
また、このプロジェクトは日本の製造業として初めての本格的なオマーンへの投資案件となり、サララ経済特区は、港湾が整備済であること、燃料の確保が容易であること、また長期にわたり法人税・配当課税等の免除が受けられるなどの特徴があり、プロジェクトとして高い収益性を維持することが期待できる、としている。
オマーン国は長期的に高い経済成長が期待される中東湾岸諸国・インドなど、南アジア諸国にも近接しており、JFEは今回のプロジェクトが高い経済成長が期待される同地域における今後のビジネスの拡大にも役立つと判断した。