日本の地図メーカー・ゼンリンのブースで注目した展示は、「GCM」と呼ばれる街並みを3D動画で表現するカーナビ用地図コンテンツ。日本では決して珍しいものではないが、欧米ではここまでリアルに3D地図を表現している例はない。
ゼンリンでは過去10年も前から現地調査を徹底して行っており、今後2011年3月を目処に欧州、北米それぞれ40都市以上で整備を行う計画だという。
現在、欧米でのカーナビ用電子地図は、ナブテックとテレアトラスの2社でほぼ独占状態。そのため、日本の地図メーカーが参入する余地はあまりない。
そこで、ゼンリンがトライしているのがこのGCMでの参入である。ゼンリンはすでに高速道路の分岐点案内などを中心に3D画像の提供を行い、各カーナビメーカーにも相次いで採用されてきた実績がある。路面のペイントまでを再現するこの地図表現に対しても欧米各社の反応は上々だという。ただ、欧米全エリアをこの地図でカバーするわけにはいかない。
ゼンリンでは通常はナブテックやテレアトラスの地図を使いながら、整備エリアに入るとこのGCMによる地図に切り替える手法を提案している。気になるのは欧米で普及が著しいPNDで展開した際にきちんと動作するかどうかということ。この展示では、そういった場合でもきちんと動作することを証明するためにPDAでのデモも実施。データそのものの負荷がかなり低いことを強調して見せていた。
PNDでも地図を3D動画で見せる時代がやってくるかもしれない。