東日本高速、産廃混入は品質に影響なし---北海道横断道工事

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東日本高速北海道支社(札幌市・山本裕己支社長)は2日に発覚した建設中の北海道横断自動車道の一部でコンクリート魂が埋められていた問題で、「高速道路そのものの強度には影響しない」(総合調整部広報課)という見解を示した。記者の取材に答えた。

「道路の強度は埋まっている規模にもよるが、今回の場合、盛り土の所定の強度は確認できている。今後の調査結果を待たなければならないが、品質の問題より、本来出てくるはずのないコンクリート魂が出てきたという不法投棄の法令違反の要素が大きいと考えている」(同北海道支社総合調整部広報課)

盛り土の施行は30cm幅で盛り土を重ねる。その度に強度が基準に達しているかどうかを測定する。そのためコンクリート魂混入の強度不足には至っていないというわけだ。

コンクリート魂混入の事実は、地元紙の北海道新聞の取材が発端となり同社にもたらされた。この時点でコンクリート魂が埋められた場所がほぼ特定されていたことも、同社が盛り土へのコンクリート魂混入が限定的であると考える理由の理由の一つだ。

ただ、盛り土を30cm幅で重ねていたなら、なぜそこで工事関係者が20×30cmのコンクリート魂を発見できなかったのか。

盛り土は占冠トンネル掘削工事で排出された土を使っている。盛り土に埋まっていたコンクリート魂は、そのトンネル工事でトンネル内側の強度を保つため に吹き付けられたコンクリートの一部であると見られている。

産業廃棄物処理を監督する北海道上川支庁は3日、発注元の東日本高速、元請けJV(三井住友建設・佐藤工業)、および下請け工事業者から事情を聞いた。

「この日に話を聞いた限りでは原因は特定されていない。今後、資料をそろえていただき、どうしてコンクリート魂が混入することになったのか究明していきたい」(同環境生活課)

コンクリート魂の発見された現場の工事は中断された。東日本高速北海道支社は「掘り返しの範囲が広がれば今後の進捗に影響が出ることも考えられるが、2011年の全体開通(占冠 - 夕張間)までの影響はないと思っている」(総合調整部広報課)との見解を示した。

《中島みなみ》

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