08年は三洋電機の『ミニゴリラ』に代表されるコンパクトなメモリーナビ、いわゆるPNDが大きく市場を広げた年だった。ソニーやクラリオンに加えて、市販ナビのトップメーカーであるパナソニックは『ストラーダポケット』で、パイオニアは2代目『Air Navi』で、このカテゴリに参入した。
その一方で、GPSケータイの普及に伴って、ケータイ助手席ナビサービスも充実しつつある。トータルナビの使いやすさを継承するナビタイム「ドライブサポーター」、NTTドコモと組みケータイ地図で強みを発揮するゼンリンデータコム「地図+ナビ」、プローブによるリアルタイム渋滞情報に力をいれるユビークリンク「全力案内!」、そしてカーナビライクなUIを目指したインクリメントP(iPC)「MapFanナビークル」など、それぞれの特徴を持った助手席ナビが登場している。
そこで今回は、PNDでトップシェアを誇る三洋電機『ミニゴリラ』の売れ筋モデルNV-SB360DTと、iPCのMapFanナビークルを例にとって、PNDとケータイナビ、それぞれの特徴と機能について、実走テストを通じて評価してみたい。
まずは簡単に両機のスペックを紹介しよう。
ミニゴリラSB360DTは幅128×高さ85×厚さ26.2mm、重量310g。4GBのSSD(Solid State Drive)と4.5V型ワイド液晶を搭載。メモリには約4000万件の電話番号、3400万件の住所を収録する。「ゴリラエンジン」を搭載して優れたレスポンスを実現している。ワンセグチューナーを搭載し録画にも対応。SDカードのMP3やWMA形式音楽データも再生可能だ。実勢価格は5万円前後。
次にMapFanナビークルは、iPCが提供するカーナビアプリ。NTTドコモ903iシリーズ以降、およびソフトバンクモバイルのGPS対応端末で利用可能(一部非対応機種あり)。住所や電話番号など検索データ件数は公表していないが、「カーナビメーカーに採用されている最新のカーナビデータと同じデータを採用」(iPCのウェブサイトより)しているといい、地図データも随時更新しているので、常に最新地図を利用できる。
通信端末の利点を活かして、オンデマンドVICSや駐車場の満空情報などリアルタイムコンテンツが充実しているところも特徴だ。UI面では距離に応じて右左折ポイントを表示する「ラリービュー」が大きな特徴で、11月のアプリバージョンアップで横画面にも対応した。月額利用料は315円。
今回は、「金曜日の夕方に横浜・みなとみらい地区から東京・新宿の都庁まで移動する」というシチュエーションで、両機を比較テストしてみよう。