書類作成が面倒と身代わり出頭を黙認 2警官を処分

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今年6月に北海道音更町で発生した当て逃げ事故について、北海道警は12日、当時捜査を行った警官2人が運転者の身代わりが行われたことを認識しながら、通常の物損事故として処理していたことを明らかにした。作成書類が増えることを嫌ったという。

警察は2人を犯人隠避と虚偽公文書作成・同行使容疑で書類送検するとともに、減給処分も実施している。

北海道警・監察官室によると、問題の事故は今年6月4日の午後7時ごろ発生した。音更町内にあるコンビニエンスストア駐車場で、発進しようとしていた乗用車が場内に止まっていた別のクルマと接触。そのまま逃走した。逃走車のナンバーは目撃されており、警察では物損当て逃げ事故として捜査を開始。事故から約2時間後に19歳の少女が「自分が運転していた」と帯広署に出頭してきた。

事故を担当していたのは、同署・地域課に所属する59歳の巡査部長と30歳の巡査長だったが、2人は目撃された運転者が「若い男」だったことを認識。出頭してきた少女を追及すると「交際相手の男が無免許だったため、自分が身代わりを頼まれた」と供述した。

しかし、犯人隠避事件の場合には改めての捜査が必要で、無免許運転も伴うと作成する書類の量も増えることから、巡査部長が「当初の申告通り、少女が運転していたことにしよう」と巡査長に提案。巡査長もこれに了承し、少女を運転者として処理を行った。

ところが後日になり、相手側の賠償(修理費)問題で少女と男の間に紛争が発生。少女が同署の別部署に「身代わりとして出頭したのに、お金を払ってくれない」と届け出たことで、不適切な処理が行われていたことが発覚したという。

警察ではクルマを運転していた22歳の男を無免許や当て逃げの容疑で。少女と、身代わり出頭を助言した28歳の男を犯人隠避の容疑で書類送検。2警官も犯人隠避と虚偽公文書作成・同行使容疑で書類送検している。また、12日付けで巡査部長に停職1か月、巡査長に減給1か月の懲戒処分を実施した。巡査部長は同日付で依願退職している。

《石田真一》

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