米ジョージ・ブッシュ大統領は12月19日、経営危機に陥っている自動車メーカー、クライスラーグループとGMの2社に緊急の“つなぎ”融資をすると発表した。総額で174億ドル、約1兆5600億円。2社は3月末までに経営の長期安定化計画を策定しなければならない。
「経済危機と不況の中、自動車産業の破綻を許すことは、責任のある行動指針ではない」と、ブッシュ大統領はワシントンのホワイトハウスで語った。
資金は、本来、金融企業を救済するための金融安定化法の資金を充て、12月29日に40億ドルずつ2社に支払われる。GMにはさらに2回に分け、2月17日までに都合3回、計134億ドルが支払われる。経営安定計画を立てられなかった場合にメーカーは、融資の全額を返済しなければならない。
クライスラーグループの会長兼CEOのボブ・ナルデリは「政府が我が社を信頼してくれたことに感謝する」とコメント。GMは会社として「大統領に感謝する」との声明を発表した。フォードモーターの社長兼CEOのアラン・ムラリーは「アメリカの自動車産業は相互依存が大きいので、競争相手の破綻は自らに悪影響を及ぼす」と述べている。