1審無罪の死亡事故、高裁では逆転有罪

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2005年11月、北海道札幌市西区内の道道で横断中の歩行者をはねて死亡させたとして、業務上過失致死罪に問われた75歳の男に対する控訴審判決が16日、札幌高裁で開かれた。高裁は1審の無罪判決を破棄、被告に執行猶予付きの有罪判決を言い渡している。

問題の事故は2005年10月5日夕方に発生した。札幌市西区琴似4条7丁目付近の道道で、道路を横断していた75歳の女性が進行してきた乗用車にはねられた。女性は全身を強打したことが原因で死亡している。現場は片側2車線の直線区間で、死亡した女性は横断歩道の無い場所を渡ろうとしていた。

クルマを運転していた75歳の男は「横断してくる女性の存在に気づかなかった」と主張。業務上過失致死罪で起訴されたが、1審の札幌地裁は2007年11月、「対向車のライトに幻惑され、女性の姿が見えなかった可能性もある」、「女性が5km/h程度の早足で横断しようとしていた」と認定。男性を無罪としたが、検察側はこれを不服として控訴していた。

16日に開かれた控訴審判決公判で、札幌高裁の矢村宏裁判長は目撃証言から女性の歩行速度が1審認定よりも若干遅い「3.13km/hだった」と改めて認定。この速度で進行している女性は回避可能だったとした。また、幻惑の原因になった対向車も「存在する証拠がない」として認めなかった。

裁判長は「1審の事実認定には重大な誤りがある」として無罪判決を破棄、禁固8か月(執行猶予3年)とする逆転有罪の判決を命じた。

《石田真一》

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