【カーエレ09】「不況期こそ、新しい技術や発想が必要」…カーエレジャパン主催事務局長に聞く

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【カーエレ09】「不況期こそ、新しい技術や発想が必要」…カーエレジャパン主催事務局長に聞く
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カーエレクトロニクスの専門展としてはアジア最大級のイベントとなる、「第1回国際カーエレクトロニクス技術展(カーエレJAPAN)」(主催:リードエグジビションジャパン、以下リード)が1月28日から3日間の会期で開催される。アメリカに端を発する景気減速の影響を受け、日本の自動車業界にとっては厳しい状況が続くなかでの開催となるが、主催のリードによると出展の申し込みは250社を超える順調ぶりという。本展の開催経緯について、事務局長を務める岡部憲士氏と、事務局次長の前薗雄飛氏に聞いた。

----:今回、カーエレクトロニクスの専門展を実施することになったきっかけをまずお聞かせください。

岡部:カーエレJAPANは、エレクトロニクスの製造技術展である「インターネプコンンワールド(以下ネプコン)」と併催されます。

ネプコンは今回で38回目を迎える歴史ある展示会なのですが、ネプコンの規模が大きくなるにつれてカーエレクトロニクス関連の出展者も増え、カーエレ関連の技術者に大勢ご来場いただくようになりました。前回の総来場者5万4000名のうち、実に8000名がカーエレ関係の来場者です。

またカーエレ向けの製品を持つ企業からも専門展への要望があり、これらの声を受けてリサーチをしたところ、出展・来場ともに相当の需要が見込めると判断しましたので、2008年の1月に開催の発表を告知しました。出展対象の企業担当者向けの開催発表説明会では、トヨタなどの自動車メーカー、デンソーなどのティア1のサプライヤーからもご出席いただき、約700名の関係者が集まりました。

----:2008年は後半から景気が急減速し、特に自動車関連は業績が悪化している企業が少なくありません。この影響はありませんか。

前薗:景気減速の影響といえるほどのキャンセルは出ていませんね。

岡部:私たちとしては、消費者に広くアピールするための、華やかな“お祭り”的なイベントは志向していません。BtoBの地に足の付いた展示会をやっていこう、というのが弊社で主催するすべてのイベントにおけるポリシーです。お祭り的なイベントは、景気が悪くなると削減するというのが企業の常ですが、ビジネス向けイベントは違います。不景気だからこそ、新しい技術やビジネスが必要とされています。したがって、カンファレンスや展示など、“技術者や現場担当者が来場して意義ある展示会”とするための仕込みをするのが私たちの仕事です。

前薗:いまの日本の技術を下支えしているのは中小の製造・開発メーカーです。開発の現場に携わる方がたにとっては、それらの製品や技術を発信できて、情報収集ができて、そして商談ができる展示会こそが意味があるのです。

----:カーエレジャパンは、ネプコンの派生イベントとのことですが、出展社はすべて自動車に関連する企業なのですか。

前薗:すべての出展社が自動車向け製品を専門につくっているわけではありません。さまざまな製品や技術があるうちのカーエレクトロニクスの部分で展示を構成していただいています。

----:では、従来は自動車専業でやっていたが、今後は脱クルマシフトを図ろうという企業もいるのですね。

前薗:そういった企業はより広義なネプコンへの出展を検討されています。カーエレジャパン、ネプコン双方に出展する企業も相当数あります。

----:自社の製品や技術を業界に向けて周知するイベントであるとともに、出来場者として業界動向を学ぶ機会といえそうですね。

前薗:本展は、自動車メーカーやティア1だけでなく、中小の企業が数多く集まるイベントです。自動車メーカーから、電装系、組み込みシステム、材料、プリント基盤、検証装置やソフトウェアなど、カーエレクトロニクスの範疇におさまるすべての分野を網羅しています。

----:カーエレジャパンは、展示会だけでなく多岐にわたるセミナーも特徴ですね。

前薗:はい。カーエレジャパンでは、「アドバイザリ・コミッティ」を組織して、講演・セミナーのプログラム作成をお願いしました。アドバイザリ・コミッティの組織に当たっては、“一級のセミナーを開催したい”という私どもの思いを聞き届けてくださった、主要自動車メーカーや部品メーカーの電子技術担当役員を中心としたカーエレのトップに一肌脱いでいただきました。それぞれの基調講演から技術セッションまで、開発の現場に携わっている方であればきっと満足いただけるセミナーを揃えています。

----:それでは、セミナーの目玉は?

岡部:すべてですね(笑)。強いて言えばトヨタの常務役員を務める重松崇氏や、Continental AGの技術ディレクター、ジェームズ・レムフリー氏らが登壇する基調講演は、環境の時代に対応したカーエレクトロニクスとは何か、を問う意味でも注目ですね。通常セッションも、開発メーカーの技術役員クラスや現場トップが講演しますので、課題解決のヒントを得るために、あるいは専門分野の見識を深めるために、ぜひ参加していただきたいと思います。

----:セッションに参加すると展示会場へ行く時間がなくなってしまいそうですね。

岡部:セッションは午後4時10分で終了しますが、展示会は夕方6時まで行います。とはいっても、セッションをフルに見てしまうと、やはり展示会を回る時間的余裕は限られますね。会期は3日間ありますので、2日または3日間またいで見るくらいの計画でもいいと思います。

前薗:カーエレジャパンのウェブサイトから出展担当者と事前にアポイントが取れる仕組みも用意してあります。来場いただく際には出展ブース訪問やアポイント、セミナー視聴のスケジュールをあらかじめ決めておいてから来場することをおすすめします。

岡部:セミナーは招待制ですが、イベントのホームページからお申し込みができます。こういう経済環境だからこそ。カーエレジャパンで得たヒントをビジネスに活かしていただきたいですね。

《まとめ・構成 北島友和》

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