同時多発テロ以来アメリカへの入国者に神経を使う同国国土安全保障省は、渡航前の事前認証手続きをインターネットで申請する、「ESTA」(エスタ)と呼ばれる「電子渡航認証システム」(Electronic System for Travel Authorization)を12日からスタートさせた。
これにともない、従来アメリカ滞在が90日以内で許可されていた観光や商用での“ビザなし渡航”が変更となり、ビザなし渡航者はESTAなしでは米国行きの航空機や船舶などに搭乗できなくなった。
これはテロや麻薬などの犯罪性のある人物や薬物・武器の流入を事前に察知し、入国を阻止しようとするものである。アメリカと親密な関係にある27か国に適用され、アジア大洋州では日本、シンガポール、ブルネイ、オーストラリア、ニュージーランドの5カ国。それ以外の国は従来通りアメリカ大使館や領事館にビザ申請する。
問題のない旅行者であれば出発の72時間前までに認証手続きを行うことを求められている。パスポートの有効期限内であれば渡航予定がなくても手続きが可能で、記録は2年間有効となる。
ESTAの手続きは専用ウェブサイトのほか、在日米国大使館ウェブサイトのESTAにアクセスする方法もある。事前とはいえ、自宅のパソコンから日本語で手続きできる。または航空券予約時や購入時にESTAの問合せと事前手続きをお勧めする。幼児や高齢者などは代理手続きもできるので、旅行代理店を通じた手続きもできる。
さらに搭乗直前までESTAの手続きをしていない乗客のために、いくつかの航空会社は空港のカウンターにパソコンを設置して対応するという。
なお全日空(ANA)では当局からの指示があるまで、従来通り現地到着前に機内で「入国カード」の記入をお願いするという。
ESTA URL
http://esta.cbp.dhs.gov/